- 松生先生
【2】ストレスと腸の関係
腸は、脳に次いで2番目に神経細胞が多い臓器で、「セカンド・ブレイン(第二の脳)」と呼ばれ、互いに約2,000本の神経線維でつながれています。したがって、脳がストレスを感じると、その影響は腸の機能にも大きく反映します。
腸に影響するストレスの原因としては、「心理的ストレス」と「物理的ストレス」が考えられています。
心理的ストレス
旅行中の緊張や過労・人間関係、あるいは暑さ・寒さ・騒音といった生活環境における心理的な負荷が要因となるストレス
物理的ストレス
便を硬くする食事(水分を取らずに玄米などの不溶性食物繊維をたくさん食べるなど)や、鉛などの金属成分の長期多量摂取、抗うつ薬など中枢神経に作用する薬の服用といった外的要因によるストレス
これらのストレスによって機能が低下した状態の腸を「ストレス腸」と呼びます。
ストレス腸の状態がさらに続き、腸のはたらきが停滞してしまう「停滞腸」となると、便秘をはじめ、おなかにガスが溜まり、老廃物が蓄積することによる有害物質の発生を誘発し、そのまま長期間放置すると大腸癌の危険性をもまねきます。